トイザらスが破産の危機って本当?

世界的に有名な玩具大型量販店であるトイザらスが破産の危機にあると言われています。
2017年9月に破産手続き申請も選択肢に入っていると言うニュースが流れました。
ニュースの記事によるとトイザらスは総額4億ドルもの負債があると言うのです。

4億ドルは日本円に換算するとおよそ440億円もの金額です。
この多額の負債の返済期限は来年とのことです。
そこでトイザらス側が負債の返済についていくつかの支払方法を検討していると言うコメントを出しました。

現在は法務事務所に負債整理の委嘱を行っている状態です。
もし支払不能の場合は破産の可能性があります。

トイザらスってそもそもどんな会社?

トイザらスと言う名前は知っているが、どんな会社なのか良く知らないと言う方は多いのではないでしょうか。
トイザらスとはアメリカ生まれの玩具大型量販店のことを言います。
創業者チャールズ・ラザラスの下の名前におもちゃと言う意味があるトイを付け加え、トイザらスと言う名前になりました。

取扱商品は知育玩具や幼児玩具の他、スクールグッズや本、DVD、フィギュア、プラモデル、ラジコン、子供用自転車、三輪車、一輪車、テレビゲームなどいろいろです。
店舗の他、インターネットでも注文することが可能です。

世界中に店舗があるトイザらス

現在ではアメリカは勿論のこと、世界中にたくさんの店舗を展開しています。
日本にも1991年にトイザらスの1号店が登場しました。
奈良の店舗のオープンセレモニーにはジョージ・ブッシュ大統領まで呼ばれました。

その後に日本でも人気が高まり、2017年にはおよそ160店舗までに増えました。
特にクリスマスが近づくと大勢のお客さんがトイザらスに訪れています。

人気の大きな理由となったのが価格の安さです。
メーカーから直接仕入れており、余計な中間マージンをカットしています。
トイザらスにお客さんを奪われ、店舗を閉める日本の玩具チェーンが多く見られました。

アメリカには大手スーパーマーケットチェーンのウォルマートがあります。
世界中に店舗があり、有名なスーパーマーケットです。
しかし日本ではあまり上手く行きませんでした。

アメリカのビジネスモデルが日本に合わなかったからと言われています。
そんな日本でも成功したトイザらスは外資日本進出の模範とも言われました。

トイザらスが検討している破産手続きって何?

アメリカには連邦破産法11条と言う倒産処理の手続きがあります。
日本にある民事再生法に近いと言われています。

この連邦破産法11条による手続きが始まると個別債権の取立ができなくなります。
企業が再建計画を提出し、裁判所に認めて貰うことが必要です。
それには一定以上債権者の同意も必要となっています。

連邦破産法11条が認められた場合、今までの経営陣が引き続き事業を行います。
そして負債の削減を目指していく形となっています。
過去にはデルタ航空やノースウエスト航空、リーマン・ブラザーズ、ポラロイド、クライスラー、ゼネラル・モーターズ、アメリカン航空などが連邦破産法11条の適用を受けました。

破産手続き後は店舗が無くなるの?

アメリカの倒産処理の手続きには連邦倒産法第7条と言うものがあります。
此方は日本にある破産法に近いと言われています。
連邦倒産法第7条は清算型の手続きのため、倒産や破産に相当します。

連邦破産法11条は再建型の手続きです。
事業は続いていくため、連邦破産法11条イコール即破産と言う考え方は正しくはありません。
トイザらスの選択肢には連邦破産法11条が含まれています。
全ての店舗が無くなってしまうと言う心配は少ないものの、採算の合わない店舗は無くなる可能性があります。

連邦破産法11条にはデメリットがある

再建型の連邦破産法11条にはデメリットがあります。
今までの経営陣はそのままのため、赤字体質が変わらない恐れがあると言う点です。
経営陣が一新されれば、赤字体質が変わる可能性があります。
また債務が膨らんでしまうと、企業がどうなるか分からないのです。

なぜ負債がこんなに膨らんだの?

トイザらスと言う名前が知られている上にお客さんも多いため、なぜこんなに負債が膨らむのか疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。
負債が膨らんだ理由はネット通販にお客さんを奪われたためと言われています。

インターネットやパソコン、スマホの普及が著しい近頃ではネット通販で自宅に居ながら購入できますよね。
ネット通販を利用している方は多いでしょうが、わざわざ店舗に行かなくて済むのが良いところです。
大きくて重たい玩具を購入する時でも、自宅まで配達してくれるために便利です。

アメリカにはAmazonと言うWebサービス会社がありますよね。
日本でもAmazonのサイトで商品を購入すると言う方は多いのではないでしょうか。
実店舗よりネット通販の方が経費が掛からないために商品価格が安くなっています。

商品価格が安くなるのは、お客さんによっては良いことですよね。
アメリカでは好景気が続いており、小売じたいは好調です。
しかし裏ではトイザらス以外にも経営が危なくなっている小売企業が見られるのです。

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2016年にはアメリカの大手スポーツ用品店スポーツオーソリティが連邦破産法11条の適用を申請しました。
小売は伸びていても実店舗の売り上げはネット通販に奪われて縮小している状況なのです。
スポーツオーソリティの場合、日本では実店舗の売り上げは好調です。

その他にもアメリカの老舗百貨店であるメイシーズも苦戦しています。
売り上げの低迷により、100店舗閉鎖を計画していると言うニュースが流れました。

郊外にあるショッピングモールでは中々店舗が入らないとも言われています。
不動産リサーチ会社によると2010年から2013年にかけて、ショッピングモールに来るお客さんが半分になったと言うのです。

そのためショッピングモールじたいの存続も危機となっています。
既に廃墟となったショッピングモールも見られるのです。
今後も経営が厳しくなる小売企業が増える可能性があります。

なぜネット通販にこんなに奪われるの?

アメリカは車社会と言われています。
そのため車が無いと生活に困ることがありました。
車社会の浸透とともに広大な土地に大規模なショッピングモールがいくつも建設されました。

しかし郊外型のショッピングモールまで行くには時間も掛かります。
大規模なために商品を探すだけでも大変です。
ネット通販なら手軽に商品を購入することが可能です。
さらに建設から何十年も経っているショッピングモールが増えて老朽化が進みました。

いつから経営が悪化していたの?

トイザらスは2005年、ベインキャピタル、コールバーグ・クラビス・ロバーツ、ボルネード・リアルティ・トラスト3社の投資会社グループに買収されました。
この買収により非公開企業となりました。
しかしその後は赤字が多くなり苦戦していたのです。

特にリーマンショック以降は売り上げが厳しくなっています。
日本でも小売企業ではありませんが、シャープや東芝と言った大企業が苦戦に陥っていますよね。
時代の移り変わりとともに大企業だから安心とは言えなくなりました。
今はアメリカの景気が好調ですが、不況に陥った時はどうなるか分かりません。