徳島市観光協会が破産手続き開始決定

2018年3月、阿波おどりを主催している徳島市観光協会が破産手続き開始を決定したというニュースが流れました。
阿波おどりは長い歴史を持っており、日本三大盆踊りの一つとなっています。

例年120万人ほどの人出を集める人気の高い阿波おどりのため、皆さん良くご存じではないでしょうか。
しかし運営側は4億2,400万円もの累積赤字を抱えるようになりました。

売れそうなチケットが新聞社に占有されていた

演舞場の改修などが多額な赤字を抱えることになった要因であると地元の徳島新聞では報道を行っています。
しかし売れそうなチケットを徳島新聞社が占有しており、一般向けに割り当てされるチケットが少ないため、すぐに売り切れてしまう状況です。
阿波おどりを徳島市観光協会とともに主催していたのが徳島新聞社ですが、阿波おどりを収益源にしているという批判が集まっていました。

市から年間2600万円ほどの補助金が出ている関係上、透明性が求められるはず。
ところが占有されたチケットがどれだけ売れたのか、売れ残ったのか不透明になっていたのです。

市が破産の申し立てを行った

徳島市観光協会が抱えた債務の補償を行っているのが、損失補償契約を結んでいる徳島市です。
徳島市観光協会が返済できない場合、補償している市が代わりに支払します。

市ではなるべく負担を抑えるため、徳島市観光協会に対して運営体制の見直しを要求、しかし話し合いがまとまらなかったため、徳島地方裁判所に破産の申し立てを行いました。
徳島市観光協会が申し立てを行ったのではなく、市が申し立てを行ったのがポイントです。

破産手続き開始決定から債権回収へ

破産手続き開始の申し立てを行うと審尋が開始されます。
この審尋では口頭にて意見や主張を述べることができます。
徳島市観光協会ではこの審尋にて阿波おどりを共同で主催していた徳島新聞社が半分負担すれば赤字を解消できると主張、破産手続き開始申し立ての取り下げを求めていました。

半分の負担を求められた徳島新聞社では法的な義務が無いと反論しています。
その後、徳島市観光協会の主張は認められず、今回の破産手続き開始決定へと繋がりました。
市では新たに損失補償契約を結ばない方針も決定しています。

その後は破産管財人として弁護士が選任され、徳島市観光協会が保有している財産を調査し、その財産を処分していくとのことです。
ただし全財産の処分を行っても、全額債権が回収できるかどうかは未知数です。

今後の阿波おどりは如何なる?

主催している徳島市観光協会が破産となったため、今後の阿波おどりが如何なるのか不安に感じている地元の方は多いのではないでしょうか。
破産手続き開始決定のニュースが流れたのは3月末、阿波おどりが始まるのは例年8月12日から15日までの期間となっており、もう4か月ほどの期間しかありません。

しかし市から新しい運営主体を4月中に設置するというコメントがあり、今後は市が阿波おどり主催に向けて取り組んでいく可能性が高いです。
一般向けチケットの割り当てが少なく不透明という問題点も、市の取り組みによって解消されることが期待できます。

ちなみに阿波おどりの有料チケットは例年7月1日、全国のコンビニにあるチケット販売機やチケットぴあにて入手できていました。
新しい運営主体に変わっても赤字体質が変わるかどうかは分かりません。

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2017年の有料演舞場では一番安い自由席であるC席で前売900円、当日1,100円の設定でしたが、赤字体質を解消するために2018年以降は値上げされる恐れがあります。
これから阿波おどりを見たいという方は、事前に有料チケットが幾らなのか確認したほうが良いでしょう。