そもそも債権者集会とは?

自己破産のうち、管財事件が適用された方については、この債権者集会というものが開かれます。
債権者集会が開かれる目的は主に二つあります。
債権者に破産手続きの情報を提供することと、破産手続きに債権者の意見を反映させることです。
この集会は、裁判所の管理の元で行われます。

集会では、まず破産管財人が収支・財産の報告をします。
この報告により、債権者への配当の実施が決定されます。
配当が終われば、裁判所が免責の可否を決定します。

集会への出席者は、裁判官、管財人、弁護士、破産者、債権者です。
破産者は、破産に関しての説明義務を負うため、代表者の出席は必須です。
一方で、債権者が集会に参加することはあまりありません。

実際の債権者集会の雰囲気はどうなの?

債権者集会は、債務者の破産手続きの情報を開示し、債権者への配当を決める集会です。
債権者が債務者にいろいろな質問をしたり、「金を返せ」などの罵倒を浴びせたりする場面が想像できるかと思います。

しかしながら、実際に集会に債権者が出席するのは全体のおよを2割ほどです。
出席したときでも、債権者が質問をするのはそのうちのおよそ半分であり、その質問も、今後の見通しについてなどです。
債務者に隠し財産などの疑いがある場合であれば、集会が紛糾することは稀にありますが、基本的には穏やかに終わります。

時間についてですが、債権者が出席しないときは、集会はおよそ5~10分ほどで終了することが多いです。
債権者からの質問がある時には多少長引くことはありますが、それでも30分までには終了することがほとんどです。

免責が許可が下りないときはあるの?

結論から言うと、免責の許可は、ほとんどの事例において下ります。
債権者集会に臨む前には、破産者は弁護士としっかりと話し合いをしています。
したがって、集会でその判断が覆されることはあまりありません。
もし集会で債権者から質問を受けるようなことがあっても、代わりに弁護士が答弁を行ってくれるで、基本的には淀みなく進むことが多いのです。

ただ、免責不許可事由というものに該当することがあれば、免責許可が下りないことがあります。
免責不許可事由には、おおよそ次のようなものがあります。

・債権者を害する行為をしたとき(財産を隠す、損壊するなど)
・賭博や浪費によって債務を負担した場合
・財産の状況に関する書類などを隠滅、偽造、変造した場合
・集会で必要な説明を行わなかった場合
・裁判所に必要な書類を提出しなかった場合
などです。

しかしながら、免責不許可事由に該当していても、考慮の余地がある場合に限り、裁量免責が適用され、免責の許可が下りることはあります。
したがって、免責許可が下りるかどうかが怪しいときは弁護士との綿密な相談が必要になります。

とはいっても、虚偽の申請を行うことや、債務の原因にあまりの問題がないかぎりは、基本的には免責の許可は下りるようになっています。
自己破産は、債務者に経済的な再生の機会を与えることを目的としているからです。
破産の経緯や原因を隠さずに堂々としていればいいのです。

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