消費者金融業者やクレジット会社というものは、現在では私たちの暮らしに身近なものとなっています。
そのため、急にお金を必要とする用事ができたときや、少し値段の張るものを購入するといったときに大勢の人が消費者金融のキャッシングやクレジット会社のカードを利用しています。
たしかにキャッシングやクレジットカードというものは非常に便利で、使い方さえ間違わなければ私たちの暮らしを豊かにしてくれる存在なのですが、ときには知識不足から私たちに不利益をもたらしてしまうこともあります。
消費者金融やクレジット会社などの業者は消費者に対してお金を融資している業者ですが、その括りは銀行などの金融機関とは異なり貸金業という業種に分類されます。
そのため、貸金業者は賃金業法という法律で定められたルールに従ってその営業活動を行なわなくてはならない決まりです。
貸金業法で定められているルールはいくつもありますが、消費者に対して融資を行う際の金利の上限も法律によって定められています。
貸金業法が改正される以前は消費者に対して融資を行なう際の金利の上限を定めた法律が利息制限法と出資法の二種類あり、本来であれば利息制限法で定められている金利の上限を貸金業者は守らなくてはならないはずが、出資法ギリギリのラインでのいわゆるグレーゾーン金利での融資を行っていました。
そのため、消費者は知らず知らずのうちに貸金業者から請求されるままに、本来ならば支払わずに済むはずの利息を支払う破目になっていたのです。
しかし、貸金業法が改正されたのを契機として貸金業者の場合には融資を行う際の金利の上限は利息制限法に一本化されるようになり、グレーゾーン金利での利息というものは無効ということになりました。
そのため、借金の完済後10年が経過するまでは、貸金業者に対して支払い過ぎた利息を返還することを求める手続きをすることを消費者は権利として与えられるようになったのです。
支払い過ぎた利息が戻ってくることによって借金の残りの金額を大幅に減らしたり、場合によっては借金そのものがゼロになる可能性もあります。
本来であれば消費者が支払う必要のなかった利息のことを過払い金というのですが、その計算方法は利息制限法で定められている範囲内の金利で計算しなおされます。
このような計算のことを引き直し計算といいます。
過払い金返還請求をする際には貸金業者に対してこれまでの取引の履歴を開示してもらい、そのうえで引き直し計算をして過払い金の金額がいくらであるかを割り出すことになります。