何らかの事情から借金の返済が困難な状況に陥ってしまったとき、そのような状況下にある人を救済する目的としてあるのが債務整理の制度です。
この債務整理の制度には何種類かの手続きの仕方がありますが、とりわけ借金による困窮の度合いが高い人向けの債務整理の方法として自己破産があります。
破産をするということに対してはあまりいいイメージを持っている人はいないでしょうが、破産をすることで借金が免責されることは借金の苦しんでいる人にとっては大きなメリットです。
申し立てで借金を免責に
自己破産の制度では所定の要件を満たしている人が裁判所に対して自己破産の申し立てを行い、その申し立てが認められることによって借金が免責されることになり、手続きが完了した後は借金の残りの返済義務はなくなり月々の返済について頭を悩ませる必要はなくなります。
その代わりとして所有している自分の財産のほとんどを処分しなくてはならず、まさに一から人生をスタートさせることになります。
また、自己破産をしたということは個人信用情報機関に信用情報の傷として登録されることになり、いわゆるブラックリストに載った状態となります。
その結果として自己破産をした後の一定の期間は、ローンを組んだりクレジットカードが作れないといった具合に新規に借金をすることが事実上できなくなります。
また、手続きの期間中には引越しをすることや旅行をすることについては制限されるため、事前に裁判所へ申し立てをしなくてはなりません。
ただし、自己破産の制度では借金の返済義務がなくなるといったメリットだけではなく、手続きの完了後に破産者はさまざまな制約を受けるというデメリットな面もあります。
そのため、どれほど借金をしても自己破産で帳消しにできるからといった安易な考えを持って無計画な借金をすることは賢明な行為ではありません。
自己破産というものはあくまでも行き詰ってしまった借金の問題を解消するための最終的な手段と考えておくようにしましょう。
自己破産の就けない職業は?
自己破産をすることによるデメリットのひとつに破産後の一定の期間は特定の職業に就けなかったり、資格の取得ができないという制約があります。
具体的な例としては弁護士や司法書士、身近な職業としては警備員などがあります。
そのほかにも破産後の一定の期間は特定の職業、資格の取得に制限がかかるようになります。
ただし、破産をしたからといって特定の職業に就くことや資格の取得が生涯にわたって制限を受けるというのではなく、自己破産から復権をした際にはこのような制限はなくなり、自由に就業や資格の取得をすることが可能になります。