個人で支払い能力を大きく上回る負債を抱えて、生活が破綻してしまっている状態であれば、債務整理という救済手段があります。
借金生活で疲弊し、思いあまって自殺を企図する人は非常に多いのです。
また自殺を考えなかったとしても、精神的な健康状態が著しく悪化し、うつ病などの精神疾病をきたす場合もあります。
いずれにせよ、個人のみならず家族を巻き添えにして非常に悪いステージに行ってしまうのは明らかです。
自己破産の免責不許可事由は？
そうした人々を救済するために、自己破産という法律的に認められた債務整理方法が存在します。
困窮に至った方への救済を目的としているものの、その理由には制限があります。
これを免責不許可事由といいます。
NGになるケースとしては、ギャンブルや浪費などがあります。
自己破産は裁判所によって最終的に認められます。
そのため自己破産申請を届け出るためには、そしてそれが認められるためには、負債状況だけではなく、どうしてそのような状況に陥ったか、債権者はどういう人たちなのか、現在の収入を返済に充てることができないか、可処分所得は無いのか、親類縁者から支援は受けられないか、など様々な角度から丸裸にされます。
そのため個人で裁判所に申立を行なうには、時間や労力の大きな負担が求められます。
なにしろこれらの設問に対し漏れがあってはならないのですから、克明な記録も求められます。
ギャンブルでの債務整理を考えた場合、ネックになるのはこの「克明な記録」が存在しない事ではないでしょうか。
これらの状況では負債で火だるまになってしまった個人が、裁判所に対し適切な方法で自己破産申請ができるとは考えにくいものです。
そこで考えたいのは、自治体や弁護士などが主催する、相談の機会を利用する事です。
そこから例えば、法律支援センター（例えば「法テラス」など）の紹介を受け、弁護士主導で現状把握を行なっていく事で状況はかなり整理することができるはずです。
もちろん弁護士はこの段階ではアドバイザーに過ぎませんから、申請者は何もしないで良いという事はあり得ません。
ギャンブルでの浪費は債権者が複雑になっている可能性がありますので、それを解きほぐすのは申請者自身です。
難しい状況ではありますが、いったん申請すればその段階で債権者の取り立ては止みますから、多少時間がかかっても状況整理をし、そこに至る経緯などのつじつまがあってくれば、自己破産まではあと一歩です。
ただし心していただきたいのは、債務整理は法律で認められた行為ではあるものの、債権者にとっては正統なサービスを行なったのにその対価が得られない、という不合理なものです。
したがって債務整理の出発点は、真摯な反省から始まると心得るべきです。
