自己破産において気になるのは、情報がどこまで知られてしまうかということです。
家族や友人へ秘密にしている人も多いので、もし露見してしまえば、たいへんなことになります。
せっかく債務が免責になったとしても、周りの人から関係を絶たれるようでは、なんにもなりません。
それでは生活再建もままなりませんから、法律では、きちんとした線引が行われています。
まず有名な事柄ですが、官報には氏名と住所が明記されます。
これは避けられないことなので、正しく受け止めなければなりません。
ただし、官報は誰もが日常的に目にするものではありません。
試みに生活範囲を見渡してみれば、喫茶店や待合室、各家庭に置かれていることなど、ほとんどないのです。
ちなみに官報はインターネットでも公開されています。
ただし、ここで閲覧できるのは過去30日分のみで、告示に関してはpdf方式で掲載されます。
このため、名前を検索して自己破産が分かるといったことは、まず考えにくいことです。
行政機関の休日を除いて、毎日発行されるものですし、なにより有料ということも、露見の可能性を低くしてくれます。
ただし、金融関係者はしっかりチェックしていますので、その点だけは気をつけておきましょう。
そして破産者名簿というものにも、名前が記載されます。
これは本籍地の市町村役場で保管・運用されているものです。
ここに名前が載ってしまうと、一時的に弁護士など、信頼性が問われる職業へ就けなくなってしまいます。
ただし、この処置はあくまでも一定の期間内のものです。
自己破産後は、ほとんどのケースで免責が下りることになります。
この際に、破産者名簿の記述も抹消されるのです。
また、この名簿は官報とは違って非公開のものですから、誰でも閲覧できるわけではありません。
よほど悪意をもった人間が役所にでもいない限り、他人に知られる心配は極めて薄いといえるのです。
この他には、信用機関に情報が登録される、いわゆるブラックリストというものがあります。
これも、一般人が簡単に調べることなどできないものです。
一方、免許証やパスポートなどに、債務に関する記載が書き足されるようなことがありません。
他人に提示する機会が多いものだけに、余計な情報が漏れないよう配慮されているのです。
このように、たとえ親しい間柄とはいえ、自己破産のことが発覚するといったことは、ほとんどありません。
過去の教訓を胸に、安心して生活を立て直していきましょう。
