多重債務によってこれまでの借金が返済できなくなってしまったという場合には、最終的な手段として、自己破産という、法律にもとづく方法をとることによって、借金を棒引きにすることは可能ですが、このような手続きをした後ではいくつか生活上の不都合が生じることがあります。
その最たるものとして、新しくアパートやマンションなどの賃貸物件を購入する場合の審査が挙げられます。

ふつうの賃貸物件の場合、大家と不動産会社だけで入居審査を行いますので、それほど問題はありませんが、もしも過去に自己破産をした関連で、家族や親戚などから賃貸物件の保証人になることを断られてしまった場合は注意が必要です。
このような場合には、はじめから保証人が不要の賃貸物件を選ぶことになりますが、ここではたいてい、賃貸保証会社の審査をパスすることが入居の条件となってくるからです。

賃貸保証会社というのは、入居の審査もさることながら、入居者が家賃を支払えないような事情が将来的に生じた場合、本人にかわって大家に家賃を支払うという役割を果たします。
ようするに、一般的な保証人の役割を、この賃貸保証会社が果たすことになるわけですが、そのために入居者が家賃の支払いが可能な程度の収入や資産を確実にもっているかどうかが審査のポイントとなってきます。

賃貸保証会社のなかにもいくつかの種類がありますが、もしもカードローンなどを取り扱っている信販会社の系列であれば、残念ですがその物件は避けておいたほうが無難といえます。
過去の自己破産の情報は、信用情報会社のデータベースに一定の期間にわたって蓄積されていますので、信販会社であれば、容易にその情報を照会することが可能です。
そのため、アパートやマンションの入居審査にあたっても、そのような情報をもとにして、入居を拒否されてしまうことになりかねないのです。

いっぽう、賃貸保証会社のなかには、信販会社とは別に、不動産関連や会社への入社、学校への進学などの信用保証だけに特化しているような会社もあります。
こうした会社であれば、自己破産の情報などが審査にかかわることは通常はありませんので、審査を通過できる可能性が高くなります。

ただし、現在の収入が極端に少ない状態であったり、定職につかずに無職のままであったりする場合には、やはり家賃を支払うだけの資力にとぼしい信用のない人とみなされて、審査を通過できないことがありますので、自己破産の有無にかかわらず、賃貸物件への入居は難しいといえるでしょう。

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