現在抱えている借金の支払い義務が免除される自己破産は、個人にとって最後の頼みの綱です。
けれども、弁護士といった公共性が高い専門職になれない資格制限や、マイホームなどの資産の没収があるので、ちょっとお金に困った程度ではとても選択できません。
さらに、あまり知られていませんが、ギャンブルや浪費を原因とした多重債務については、ほぼ個人の不始末によるもので、これを免責とするのは社会的に好ましくないと裁判所から判断されてしまう場合があるのです。
自己破産そのものは所定の手続きと費用を支払うことで通りますが、肝心の免責については裁判所の担当者の裁量に委ねられることを覚えておきましょう。
その状況で法律のプロである弁護士に相談すると、ギャンブルや浪費による理由では自己破産が認められにくいので、原因を問われない個人再生にした方が良いとアドバイスをくれるパターンがあります。
全ての借金がなくなることはありませんが、減額の違いはあれども相当に借金を圧縮できるのは事実であり、個人再生は投機性が高い投資運用などで大きな借金を抱えてしまった状況での救済策の1つです。
個人再生と自己破産の主な違いは、現在の借金が全てなくなるのかどうかで、個人再生では新たな返済計画に従って残った借金を返済しなければいけません。
官報に債務整理を行った人間として住所氏名が掲載されるのは同じだから、すぐに借金を減らしてもらえば毎月の返済はまだ可能という状況で選択される事例が多いです。
ただし、個人再生は、裁判所に対して数年間で完済できる返済計画を提出しなければならず、各種手続きの煩雑さと相まって、法律の専門家に代行してもらう必要があります。
すでに安定収入がなくなってしまい、すぐに働けるアルバイトなどを探して最低限の収入を得なければいけないケースでは、返済するだけの経済力を失っていることから自己破産を選ばざるを得ません。
早ければ早いほど適切な債務整理を選べる上に、債権者からの合意を得やすくなるので、選択の余地がなくなるまで追い込まれてしまう前にプロに助けてもらいましょう。
特に、苦労して入手した念願のマイホームだけはどうしても守りたいという場合では、早めに法律の専門家に関係各位へ必要な交渉を行ってもらい、官報に掲載されない債務整理で済ませるのが理想的です。
地域によっては、移動手段としての車が欠かせず、そちらの点でも自分の財産を守れる選択をしなければいけません。
