債務整理の中でも究極の債務整理といわれているのが自己破産です。
究極といわれる所以は、他の債務整理とは異なり、すべての債務を免責することができるからです。
つまり、借金はすべてなくなり、人生をリスタートすることができるという、国が認めた最高レベルの債務整理方法というわけです。
このように、借金をすべて免責できるという最大のメリットをもつ自己破産ですが、デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
まず、最大のデメリットは、すべての借金がゼロになるのですが、20万円以上の資産価値のあるものについては処分をして債権者に分配されることになります。
例えば、自宅を所有している場合には自宅を手放すことになりますし、自家用車がある場合には、20万円以上の価値があると判断されれば処分しなければなりません。
同様に、高級腕時計、ブランド品、家電製品なども20万円以上の価値のものは処分されることになります。
ただし、債務整理を検討するような状況では、ほとんどの資産がないことも多く、その場合には自己破産は最高の選択肢ということになります。
次に、いわゆるブラックリストの問題です。
ブラックリストとは、各種の個人信用情報機関のことで、債務整理をしたという事実が一定期間は事故情報として残ることになります。
この情報が消えるまでには、5～6年はかかることになりますし、借金を整理した金融機関には半永久的に記録が残ります。
さらに、国の発行する刊行物である官報にその事実が掲載され、官報の記録が10年間は残ります。
従って、通常5～10年間は、クレジットカードやカードローンなどの審査時に自己破産の記録を知られてしまいますので、審査に通るのが難しくなります。
もう一つ、よく問題になるのが保証人が付いている場合の債務についてです。
このケースでは、免責された借金はなくなるわけではなく保証人のところに請求がいくことになり、保証人に多大なる迷惑をかけてしまうことになります。
これがあるために自己破産を躊躇する人が多いという実情です。
この場合の解決方法は、債務整理の中の任意整理を選択するということになります。
任意整理の場合には、整理する債務を任意に選択できるというメリットがあります。
つまり、保証人のついている債務のみ整理せずに残すということができるのです。
残した債務については、これまで同様に返済を続けていく限り保証人に迷惑をかけずに済むということになります。
